学校に献血の車がやって来た時の話。
僕はボランティアだとか、貢献活動が好きだ。
僕自身まともな人間ではないと思っているので、少しでも誰かのためになっていると感じることをしないと自分の存在意義を見出せない人間だ。
だからボランティアには興味がある。献血にも興味があった。だけど機会がなかった。自分から献血に行く勇気はなかった。
でも向こうから来るとなれば僕は乗り気で手を挙げた。授業中にクラスメイト数人と献血の為に教室を出た。
その時クラス1のヤンキーが、僕に向かってお前も行くのかよと笑った。僕はそいつに指を差しながら、お前びびってんのか?と言った。
小柄なせいか僕はよくそのヤンキーに絡まれていた。だからここぞとばかりに大口を叩いてやった。
そして献血の待合室に向かった。1人ずつ呼ばれて献血の車に乗り込んで行く。僕は待合室で献血のパンフレットを見て自分の番を待っていた。
パンフレットには献血のやり方などが書いてあった。そのパンフレットの下の方に男性で45キロ以下の方は献血できませんと書いてあった。
恥ずかしい話、僕は43キロしかなかった。(今は46キロにまで増やすことに成功した)恥ずかしくなり、急いで教室に戻った。
教室のドアを開けると、クラスのみんなが僕の顔を見た。もう終わったの?というみんなの心の声がはっきりと聞こえた。
そのまま席に座るのは気まず過ぎたので、「体重足りなかった」とぼそっと言った。クラス全員に笑われた。先生も下を向いて笑っていた。
そりゃそうだ。クラスのヤンキーに向かって大口を叩いたくせに、体重が足りないという間抜けな理由で帰って来たんだから。もちろん僕も僕を笑ってしまった。
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